実家じまいの順番は、市の名簿があるかどうかで変わる

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

実家じまいに全国共通の順番は無い。当サイトが確認した82市のうち、家庭ごみを許可対象に含む許可業者の名簿を持つのは44市。この44市では、片付け・解体・売却の順番を自分で決められる。名簿はないが対象に含むと市が答えている3市(仙台市・函館市・甲府市)では、区の環境事業所に電話するところから始まる。残り35市(事業系のみ25・保留7・非公開3)では、家財の行き先を市の粗大ごみや自己搬入で先に決めてから、解体や売却の話に進む。

誰向けか: 片付け・遺品整理・解体・売却の順番が書かれた手順表を読んだが、自分の実家がどの順で進むのか分からない人

  1. 実家のある市の名前で許可業者名簿を検索し、名簿そのものがあるかを確かめる
  2. 名簿があれば、片付けと解体・売却の見積もりを並行して進めてよい
  3. 実家が仙台市・函館市・甲府市なら、名簿を探す前に区の環境事業所に電話する
  4. それ以外で名簿が無ければ、市の粗大ごみ・自己搬入の窓口を先に確認してから業者に声をかける

実家じまいの手順表を検索すると、たいてい同じ順番が出てくる。片付け、遺品整理、解体、売却。どのサイトも判で押したようにこの並びで、参考にしようとすると「うちの実家もこの順でいいのだろう」と思ってしまう。

そう思っていたのに、途中で止まる人がいる。片付け業者に電話をかけたら、家財を運べる業者が見つからない。市に聞くと「その名簿は公表していません」と言われる。手順表のどこにも、この分岐は書かれていない。

止まる理由は単純だった。家財を誰に運んでもらえるかは、実家がある市によって最初から違う。当サイトが82市の公式ページを原文で確認したところ、家庭ごみを許可対象に含む一般廃棄物収集運搬業の名簿を実際に持っているのは44市だけだった。残りの38市では、名簿が無いか、あっても事業系専用か、確認そのものが済んでいない。手順表の順番は、この違いを無視して書かれている。

自分の市に、名簿を持つ許可業者がいるか

44市

当サイトが転記できた許可業者名簿は44市・3,242件(2026年9月7日集計)。この44市では、許可業者名簿を開けば、家庭ごみを扱える業者の許可番号・許可区分の原文・連絡先まで自分の目で確かめられる。

確かめられるなら、順番を固定する理由が無い。片付け業者に家財の見積もりを頼みながら、同じ週に解体業者や不動産会社にも声をかけてよい。名簿という後ろ盾があるので、家財の行き先を心配して他の話を止める必要が無くなる。手順表が「片付け→解体→売却」と直列に書きたがるのは、この並行が取れない市を基準にしているからだと考えると、つじつまが合う。

名簿は無いが、対象には含む3市がある

44市の外に、もう少し込み入った市が3つある。仙台市・函館市・甲府市。いずれも「家庭ごみを許可業者に依頼できる」と市の案内に明記されている。household_yesの判定が付く市は47あり、そこから名簿を転記できた44市を引いた残りが、この3市である。

この3市だけの動き方

仙台市は「臨時ごみの申し込み先は、各区の環境事業所または仙台市の許可業者」。函館市は「一般廃棄物収集運搬許可業者に依頼してください」。甲府市は「運搬を市が許可している業者に依頼するなどして、クリーンセンターへ持ち込むことができます」。3市とも、業者に頼める制度そのものはある。無いのは、当サイトが転記できた名簿だけである。

制度はあるのに名簿が無い。だから、この3市では検索から始めない。まず区の環境事業所に電話し、「家庭ごみを運べる許可業者を教えてほしい」と聞く。そこで業者名が出てから、片付けの見積もりに進む。手順の最初の1件が、名簿ではなく電話に変わるだけで、そのあとの並びは44市と同じに戻る。

残る35市では、家財が先に行き場を失う

  1. 市の名前で許可業者名簿を検索する(見つからない、または「事業系のみ」と書かれている)
  2. 市の粗大ごみ受付・清掃工場への自己搬入のページを確認する
  3. 家財のうち自分で運べる分の行き先を、ここで先に決める
  4. 運べない分・量が多い分だけを、解体業者や不動産会社に相談するときにまとめて伝える

35市の内訳は、事業系のみと判定した25市、判定が保留のままの7市、名簿の公表ページ自体が見つからなかった3市である。事業系のみの25市には札幌市・名古屋市・大阪市・堺市・神戸市・広島市のような大きな市が並ぶ。堺市の事業系ごみのページを見ると、区ごとの許可業者数まで載っているが、棚そのものが「事業所向け」であって、個人からの依頼は最初から想定されていない。

保留の7市(東大阪市・福島市・岡崎市・高槻市・鳥取市・下関市・高知市)は、家庭ごみの棚に名簿らしきものはあるが、明文の一文が確認できていない市である。無いと決めつけず、市に確認する一手間が挟まる。那覇市を含む3市は、事業系の名簿は公開されているのに、一般廃棄物収集運搬業そのものの公表ページが見当たらなかった市で、こちらも電話で確かめるところから始まる。

この35市で片付け業者を先に探すと、多くの場合「うちでは家庭ごみは運べません」と言われて振り出しに戻る。振り出しに戻る回数を減らすには、市の粗大ごみと自己搬入の窓口を、業者探しより先に見ておくことに尽きる。家庭の不用品は、誰がどの制度で運べるのかに、この線引きを市ごとの原文つきでまとめてある。

解体や売却の見積もりは、家財の行き先が決まってから

家財の行き先が決まっていない状態で解体の見積もりを取ると、見積書に「残置物処分」という行が乗ることがある。この行は、解体業者が持つ産業廃棄物側の許可では本来運べないはずの家庭ごみを、別料金で肩代わりする分の費用である。解体業者の選び方で扱った許可の確認と合わせて、残置物の行が立つ前に家財を減らしておくほうが、見積もりの比較がしやすくなる。

売却も同じ順に乗る。家財が残ったままの家は、不動産会社の査定でも「片付け費用込み」で値引きされることがある。片付けが先か、解体が先か、売却が先かという議論の前に、家財の行き先という土台が決まっているかどうかのほうが、実際には効いている。

自分の市がどの区分にあたるか迷うときは、無料で相談するで状況を伝えれば、44市・3市・35市のどれにあたるかも含めて確認できる。

出典

次に、依頼する範囲を決める

家財の整理と、建物の売却・解体は見積もりの対象が異なります。いま必要な工程から比較できます。


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