実家を片付けると出る大量のごみは、市によって行き先が変わる
公開: |運営: ubusuna works
この記事の結論
実家の片付けで出るごみを民間の許可業者に頼めるかどうかは、実家のある市が一般廃棄物収集運搬業の許可の対象に家庭ごみを含めているかで決まる。当社が確認した82市のうち47市は含むと原文で確認でき、25市は事業系のみだった。残り10市(保留7・非公開3)は未確認で、市に直接確かめる必要がある。
誰向けか: 実家の片付けで出たごみを、誰に、どの制度で頼めばいいか分からない人
- 実家のある市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可業者名簿を検索する
- 名簿に「家庭系」「一時多量ごみ」「引越ごみ」などの言葉があるかを確認する
- 無ければ業者を探す前に、市の粗大ごみ収集・自己搬入の窓口を調べる
- 判断がつかない場合は、市の環境部局に電話で確認する
実家の片付けが終わると、部屋の隅にごみ袋の山ができる。「あとは市の収集に出すか、業者に持って行ってもらえばいい」——そう思うだろう。ところが、その先で誰が運べるかは、実家がどの市にあるかで変わる。
国民生活センター(=消費者トラブルの相談を受け付ける公的機関)には、無許可の不用品回収業者をめぐる相談が増え続けて集まっている。2018年度の1,354件から、2021年度には2,231件まで伸びた(2022年11月2日公表)。増えているのは需要が伸びているからでもあるが、行き先を確かめずに頼んでしまう人が多いからでもある。
行き先が分かれる境目は、単純である。実家のある市が、一般廃棄物収集運搬業(=家庭やお店から出るごみを回収して運ぶために、市町村長からもらう許可)の対象に「家庭から出るごみ」を含めているかどうか、それだけで決まる。
家庭ごみを含む市と、含まない市
当社は82市の公式ページを実際に開き、原文の記載で確かめた。家庭系(ごみ・粗大ごみ・引越ごみ・一時多量ごみ・遺品)を対象に含むと確認できたのは47市、事業系のみだったのは25市である(2026年8月28日集計)。
旭川市はこう書く。
一般廃棄物(引越しごみも含む)の処理を業者に依頼する場合は、一般廃棄物収集運搬の許可を持つ業者でなければなりません。(中略)多量に出た家庭ごみを一度に処理する際は、自分で処分場に運ぶか、市の許可する業者に処理を依頼してください
出典: 旭川市「一般廃棄物収集運搬業許可業者一覧」(2026年8月28日確認) https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/800/840/841/p005739.html
家庭から出る大量のごみが、最初から名指しで許可の対象に入っている。だから業者に「一時多量ごみの許可はありますか」と聞けば、そのまま答えが返る。
いっぽう神戸市のサイトをたどると、一般廃棄物収集運搬業者の一覧は「事業者の方へ→事業活動に伴うごみ」という経路の先にしかない。家庭向けの入口は無い(2026年8月28日確認、https://www.city.kobe.lg.jp/a84526/business/kankyotaisaku/enterprise/gyousy_l.html )。神戸市に限らず、25市の多くは札幌市・名古屋市・大阪市のような政令指定都市である。人口の多い市ほど、家庭ごみの収集を市の直営・委託で完結させ、民間の許可業者は事業所ごみの側だけに置く体制になりやすい。
許可は順位表ではない
ここまでの区分は、市の対応が優れているか劣っているかの話ではない。家庭ごみを市が直営で集めれば、民間の許可業者の名簿は事業所ごみの側だけで足りる。25市が事業系のみなのは、その体制の表れである。
保留と非公開は、「無い」ではなく「未確認」
残る10市は、47でも25でもない。7市は判定が割れ、3市は名簿の公表ページそのものが見当たらなかった。
東大阪市は割れた7市の一つである。名簿は「事業者の方へ>事業所から出るごみ」の棚に置かれているが、市のサイトには「くらし>家庭から出るごみ>臨時ごみ・引っ越しごみ」という別の経路もある。収集運搬25社の名簿はあるのに、それが家庭ごみにも使えると明記した一文が見つからなかった(2026年8月28日確認)。
那覇市は見当たらない3市の一つである。環境政策課のページには家庭系・事業系それぞれの案内があるのに、一般廃棄物収集運搬業の許可業者名簿は無く、産業廃棄物の名簿だけが公開されていた(2026年8月28日確認)。
見当たらないことは、許可業者がいないことを意味しない。市がインターネット上に名簿を出していない、というだけである。この10市に実家があるなら、名簿を探して時間を使うより先に、市の窓口へ電話したほうが早い。
業者を探す前に、確かめる順番を作る
47・25・10、どれに当たるかを先に知っていれば、業者選びの手前で迷わずに済む。
- 実家のある市区町村名で許可業者名簿を検索する
- 名簿のページに「家庭系」「一時多量ごみ」「引越ごみ」のような言葉があるかを確認する
- 言葉が見つからない、または名簿そのものが見当たらない場合は、業者を探す前に市の粗大ごみ収集・自己搬入の窓口を調べる
- それでも判断がつかなければ、市の環境部局に電話で「家庭から出るごみを、この名簿の業者に頼めますか」と聞く
どこまでを自分で運び、どこから業者に頼むかは、家庭の不用品がどの制度に乗るかによっても変わる。その線引きは家庭の不用品は、誰がどの制度で運べるのかに、自治体の原文つきで整理した。
国民生活センターに集まる相談の多くは、料金の食い違いや対応の悪さについてであって、許可の有無を先に聞かなかったことについてではない。それでも、聞かなかった相手がそもそも市の名簿に載っていない業者だったなら、トラブルが起きたときに頼れる先も無い。片付けが終わったその日に、まず名簿を開く。それだけで、行き先の分からないごみを出さずに済む。
出典
- 国民生活センター「インターネットで見つけた不用品回収業者とのトラブルにご注意」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html 2026年9月5日確認
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov法令検索)第7条第1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 2026年9月5日確認
- 旭川市「一般廃棄物収集運搬業許可業者一覧」https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/800/840/841/p005739.html 2026年8月28日確認
- 神戸市「一般廃棄物収集運搬業者の一覧」https://www.city.kobe.lg.jp/a84526/business/kankyotaisaku/enterprise/gyousy_l.html 2026年8月28日確認
- 東大阪市の環境関連ページ https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000017134.html 2026年8月28日確認
- 那覇市環境政策課ページ https://www.city.naha.okinawa.jp/admin/cityhall/sosiki/sosiki/bukyoku/kankyoubu/haikibututaisaku.html 2026年8月28日確認
- 当社が確認した82市の公式ページの判定を集計(家庭系を含むと原文で確認できた47市・事業系のみ25市・保留7市・公表ページ未確認3市) 集計日2026年8月28日
- 個別の市の扱いは変更されることがあります。実家のある市区町村に直接ご確認ください
次に、依頼する範囲を決める
家財の整理と、建物の売却・解体は見積もりの対象が異なります。いま必要な工程から比較できます。