遺品整理で古物商許可が要るのは、買い取ってもらう分だけである

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

遺品整理の見積もりで古物商許可が要るのは、買い取ってもらう分だけである。処分・運搬にかかる分は一般廃棄物処理の許可か、市区町村への委託の話になる。当サイトが集計した44自治体3,397行の許可業者名簿で、この区別を欄として書いていたのは京都市(58社中16社に「古物買取り」欄)と岡山市(対象5社すべてに「買取はしない」の注記)だけで、残り42自治体の名簿には買取についての記載が一行も無い。

誰向けか: 遺品整理の見積もりで、買い取ってもらう分と処分してもらう分の許可の違いを確かめたい人

  1. 見積書の中で、買い取ってもらう金額と、処分・運搬にかかる費用が同じ行に混ざっていないか
  2. 買い取りには古物商許可、処分・運搬には一般廃棄物収集運搬業の許可(または市区町村への委託)が要る。どちらか一方の許可だけでは足りない
  3. 自治体の名簿に買取の記載が無いのがふつうである。書いていないのは「できない」という意味ではなく、名簿がそもそも答えていないという意味なので、買取の可否は業者に直接聞く

遺品整理の見積書に、「買取相当額」というマイナスの行が立っていることがある。処分・運搬にかかる費用の欄と同じ列に並んでいて、合計だけを見ると、買い取ってもらった分と、運び出してもらった分の境目がどこにあったのか分からなくなる。

この二つは、最初から別の許可の話である。値の付く物を買い取る営業には古物営業法の古物商許可(都道府県公安委員会)が要り、ごみになる物を運び出す作業には一般廃棄物処理の許可か、市区町村からの委託が要る。遺品整理業者の選び方に書いたとおり、古物商許可が答えてくれるのは「売れる物」の側だけで、遺品整理でほんとうに量が出るのは、むしろ売れない側のほうだ。

では、業者の名簿を見れば、買い取れるかどうかまで分かるのだろうか。

名簿に「買取」を書く自治体は、当サイトの44市のうち2市だけだった

当サイトは44自治体が公表する一般廃棄物収集運搬業の許可業者名簿、3,397行を転記している。その原文に、古物・買取にあたる語があるかを数え直した。

18 / 3,397

該当したのは京都市と岡山市の2市、18行だけである(2026-09-05集計)。

京都市の名簿は、1社ごとに項目を分けて書く形式を採っている。

室内からの搬出:○/遺品・家財整理:○/古物買取り:○

58社のうち、この「古物買取り」の欄があるのは16社だった。内訳は、無条件の○が6社、注記付きの●が10社。残る42社には、この欄自体が無い(注記の中身は名簿本体の側に別記されていて、当サイトのデータには含まれていない)。

岡山市の書き方は、向きが逆である。遺品整理に対応できると案内している5社すべてに、こう注記されている。

※有価物の買取はしない。

「できる」ではなく、「しない」とあらかじめ断っている。買取をしない前提で、運搬・処分のほうの許可だけを案内しているわけだ。

残り42自治体の名簿にあること

当サイトが収録した44自治体のうち、京都市・岡山市を除く42自治体の名簿には、買取についての記載が一行も無い。書いていないのは、できないという意味でも、できるという意味でもない。名簿が答えているのは運搬・処分の許可であって、買取の可否そのものではない、というだけのことである。

青森市には、また別の書き方をする業者が一件だけあった。

収集運搬条件: リサイクル業に伴い買い取りの際に引取りを依頼されるものに限る。

この業者の一般廃棄物の許可は、「買い取った物を引き取ってほしいと頼まれた場合」に限って認められている。買取が先にあって、収集の許可がそこにぶら下がる、京都市・岡山市とは逆向きの組み方だ。

見積書のどの行が、どちらの許可の話か

3市の書き方は違って見えるが、線の引き方そのものは同じである。買い取る・運ぶ・処分するは、別々の許可・別々の制度に対応していて、1つの許可がまとめて答えることはない。

見積もりの席で確かめられることは、そう多くない。買い取ってもらう金額の内訳と、処分・運搬にかかる費用の内訳が、別の行に分かれているか。分かれていれば、それぞれにどの許可・制度が対応しているかを聞けばいい。1行にまとまっていたら、まずその行を分けてもらうところから始まる。

名簿に買取の記載が無い自治体がほとんどである以上、この確認は自治体の公表資料だけでは終わらない。実家のある市区町村の許可業者名簿で運搬・処分の許可を確かめたうえで、買取については業者に直接聞く。地域ごとの制度の違いは家庭の不用品の適法な出し方にまとめてあり、判断に迷う場合は相談窓口も使える。

古物買取りの欄を持つ自治体が、当サイトが収録している44市の外にどれだけあるのか。そこはまだ数えられていない。

出典

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